爆発的に増えるスペースデブリを取り除け!宇宙のそうじ屋「Space Sweeper」がアツい!

宇宙はすでにゴミだらけ!?

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 最近何かと宇宙ゴミが問題になっているようです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)によると、宇宙空間に漂う不要な人工物を「宇宙ゴミスペースデブリと呼んでいるそうです。

 この宇宙ゴミは、人工衛星などが衝突した際に破片をまき散らすことによって生まれます。地球の周りを高速で回っているこれらの宇宙ゴミの破壊力は凄まじく、直径が10cmもあれば宇宙船を完全に破壊できるほどの威力を持っています。
 
しかも小さな宇宙ゴミもあるため回収や制御が難しく、宇宙ゴミ同士の衝突がさらなるゴミを生むという悪循環に落ち入っています(この現象をケスラーシンドロームと呼ぶそうです)
 
実際に2009年には、スペースデブリ人工衛星に衝突するという事故が起こっています。この時さらに多量の宇宙ゴミが発生し、もはや上空800km付近では観測衛星や通信衛星などが宇宙ゴミのために使えなくなるのではないかとも言われています。
 
宇宙ゴミの衝突をシュミレーションした動画。
いかにこの問題が深刻か動画から知ることができます。
世界初!「宇宙ゴミ問題」を扱う
ビジネスが誕生

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宇宙産業だけでなく、私たちの生活を脅かしかねないこの問題に、斬新な方法で解決策を提案した人物がいます。「ASTROSCALE」のCEOでありファウンダーの岡田光信(Nobu Okada)さんです。

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「ASTROSCALE」のCEOでありファウンダーの岡田光信(Nobu Okada)さん
※画像はTwitterより引用
 
岡田さんは元大蔵省(現財務省)官僚という異色の経歴を持っていることや、宇宙ゴミ問題を扱う世界初の企業を立ち上げたことで話題になりました。しかし世界中が注目するようになった一番の理由は、岡田さんが考え出した宇宙ゴミを取り除く画期的な解決策にありました。
 
宇宙のそうじ屋!その名も「Space Sweeper

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岡田さんが開発した宇宙ゴミを取り除く仕組み「Space Sweeper」とはどのようなものなのでしょうか。Forbes Japan 9月号の特集によると、この「Space Sweeper」宇宙の掃除屋さんは、マザーシップから発射される6機の「BOY」という子機で編成されており、なんと粘着剤を使って宇宙ゴミを集めると言うのです。もはや宇宙コロコロ。この発想、日本人なら納得できますね。実際には宇宙空間でも耐えられる粘着剤が貼られた6機の「BOY」が宇宙ゴミごと大気圏へ突入。宇宙ゴミを付着させたまま、すべてを燃やしてしまうそうです。

 
宇宙という壮大な目標に挑戦!

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岡田さんの事業を知った時、日本人が世界を舞台に戦っているというだけでなく、宇宙という壮大な場所を目指して戦っていることに強い共感を持ちました。それはブルーオーシャンという名の冒険の場所はまだまだあるんだという希望を感じさせてくれるものでした。まさにONE PIECE(ワンピース)の世界を地で行くような。宇宙ゴミと言えば「プラネテス」岡田さんの描く未来は、この漫画の世界とも重なります。

 
宇宙事業の未来の姿

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岡田さんは「ASTROSCALE」のホームページ内で、これからの取り組みについて語っています。

以下はホームページからの引用です。
アストロスケール社はシンガポールを拠点とする宇宙事業会社です。宇宙の持続的開発利用を目的とした、スペース・デブリ除去システム(ADR)の研究開発を通じ、宇宙環境問題の認知向上を図っています。シンガポールを拠点とする民間企業として、国という枠組みを越えた柔軟な技術提携を行うと同時に、国際機関との連携、透明性の確保、信頼醸成などを尊重し、民間企業が宇宙開発に携わるためのパイプラインとなることで、宇宙をより身近な場所に変えることをミッションとして掲げています。
 日本ではホリエモンこと堀江貴文さんによる宇宙事業がニュースになることはありますが、こういった海外で活躍されているベンチャー企業の取り組みはあまり紹介されることがありません。宇宙への人類進出は私たちの生活とは少し縁遠い話かもしれませんが、私たちは普段、宇宙事業によるたくさんの恩恵を受けています。事業が成功するにはまだまだ多くの課題があると思いますが、岡田さんをはじめ、事業に関わる人たちは成功を信じていると思います。私も事業の成功を信じる一人のファンとして引き続き岡田さんの動きを追って行きたいと思います。